因果関係と相関関係の罠
因果関係と相関関係とは?
因果関係と相関関係という言葉を聞いたことがあるでしょうか?
この言葉は最近フェイクニュースなどの話題でも聞く機会が増えました。
例えば、気温が上がるとアイスクリームが売れるというデータがあります。
これは因果関係があるということになります。
でもアイスクリームが売れ方から気温が上がることはないですよね?
なので相関関係には無いということになります。
相関関係の例としては親の身長が高いと子供も高いなどの例が良く言われます。
これは子供の身長が高いと親の身長も高いという関係も成り立ちます。
つまり、因果関係は一方通行の関係性、相関関係は双方で成り立つ関係性ということになります。
そしてもう1つ注意が必要なのは、相関関係というのは確実にそうなると言えるものではないということです。
親の身長が高ければ子供も高くなるケースが多いというだけで、必ずそうなるわけではありません。
つまり因果関係は〇〇という原因があって、その結果△△という結果になるという関係ですが、
相関関係はそういう傾向があることが分かる程度なのです。
因果関係と相関関係の落とし穴
さて、ここまではちょっとした飲み屋のネタで済む話なのですが、これをビジネスのマーケティングに応用しようとした時に落とし穴が生まれます。
最近がやたらとデータで分析してビジネスの成果を上げましょう!ということが言われていると思います。
もちろんデータはとても重要ではあるのですが、大切なのはデータ自体ではなく、そこからどのように読み取り、活かしていくかの部分です。
そこでこの因果関係と相関関係を読み間違うと大変なことになります。
例えば、あなたがパン屋さんだったとします。
開業して2ヶ月目までのデータを取ってみると、40代の女性が最も多く来店してパンを買っていました。
ではこのパン屋では40代の女性客を増やせば売り上げが上がるという因果関係は成り立つでしょうか?
答えは「これだけでは分からない」です。
なぜなら、オープンしたばかりだから40代女性が多い可能性もあれば、実際に40代女性にぴったりハマる商品を出せているのかもしれませんし、本当に偶然その世代の客がその時期に多いだけだった可能性もあります。
なので「40代の女性客を増やせば売り上げが上がる」可能性はあっても、確実にそうなるとは言い切れません。
つまりこの関係性は相関関係はあっても因果関係にはないのです。
疑似相関に注意
因果関係と相関関係で良く間違えがちなのは「疑似相関」といわれるものです。
相関関係になってないのに、一見そう見えてしまうというものです。
例えば、「朝のテレビの占いで1位だったら今日は良いことがある」
これはまったく根拠がありません。
「今日良いことがあったら、それは占いで1位だったから」というのは文面上では成り立ちますが、実際全くそのような現実にはなりません。
これを相関関係がある!と思ってビジネスの判断に使ってしまったら大変ですよね(笑)
これは極端な例ですが、「高学歴だから頭が良い」ということを相関関係と思ってしまうと社員の採用で失敗するケースも多くなると思います。
採用で大事なのはあくまでも今後の可能性も含めてその会社の仕事をする適正あるか?能力があるか?ということです。
冷静な見極めをしましょう!
実際のビジネスは様々な要素が複雑に作用しています。
1つの原因をこれだ!と決めつけてそこにだけ力を注ぐことは致命的なミスに繋がりかねません。
パン屋の例で言えば、「40代の女性客を増やせば売り上げが上がる」かも!?という可能性は1つの過程として考えつつ、店のパンがどの層に受けるのかをリサーチしたり、他の世代はどんなパンを買っているか?店の周りにはどんな店があるか?どんな人たちが住んでいるか?
などなど、色々な目線でデータを取り、その結果を見て、総合的な判断をしていくのが得策です。
ただし、最初に仮説を立てることで戦略を作りやすくなるので、「40代の女性客を増やせば売り上げが上がる」かも!?ということが確実ではなく、あくまでも仮説だと思った上で、この仮説から出発するのは悪くありません。
ABテスト
ここで大事になってくるのがABテストです。
ABテストとは例えばYouTubeの広告を2種類作っておき、それを同じ期間、同じターゲットに流してみて反応を比べるような施策のことです。
パン屋の例でいえば、40代女性を増やすための施策をテストするために、40代女性に受けると思われる方向性の違うパンを2種類作り、売上を比べるとか、2種類の広告を作って、どちらの方が40代女性の反応が良いかを調べるなどすると詳細で明確なデータが集まりますよね。
データとは参考資料の1つである
このようにデータとはビジネスを進める上で参考になる資料の1つにすぎません。
もちろんそれがとても重要な資料になることもありますが、なんにせよ多角的な目線で、柔軟な感覚を持ってビジネスを進めるに越したことはありません。
そういう意味では新しいことを試してみることも重要ですし、逆にもう廃れてしまった戦略を自分なりに変えて使うと大成功するかもしれません。
そういうフレッシュな思考で一度自分の事業を見直してみるのも良いのではないでしょうか。
ということで今回は因果関係と相関関係のお話でした。
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外資系の映像制作、映画制作、MV制作などを経て2015年株式会社クロックタウンプロジェクトを設立。
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